数学

クォータニオン

ずっと以前から頭の片隅にあったクォータニオンを、最近になってようやく少し分かった気がしてきました。 § 自分の印象としては、クォータニオンはその定義からして一見とっつきにくいものの、予め複素平面の知識があれば、おそらく自然と理解できるのではな…

射影ベクトルと外積

久しぶりに「ゲームプログラミングのための3Dグラフィックス数学」から。ぶらぶらと本屋に行ったついでに、また立ち読みしてきました。○ュンク堂書店さん、本当に冷やかしばかりですみません...。 § 射影ベクトルと外積の計算は線形変換なので行列で表現…

回転行列の固有値

回転行列の固有値を考えましょう。二次元の回転では、回転により方向を変えないベクトルは無いので、結果として固有値は複素数です。これはよく知られていますね。ちなみに三次元では、回転軸は回転で方向(と大きさ)を変えないので、固有値のひとつは1であ…

微小立体角

これまでレンダリング方程式の中で表れる微小立体角(Δω)の導出がいまいち理解できてなかったのですが、たまたま本屋で「ゲームプログラミングのための3Dグラフィックス数学」を立ち読みしたところ、とても分かりやすかったのでメモしておきます。 § 天頂角…

分散の計算

昔買った統計学のテキストを斜め読みしていたところ、分散の計算でつまずいた部分があったので一応メモしておきます。 通常、ある標本の分散は次式で求められますが、 Σの中身を展開すると となります。この時、 なので、 となり、式の形を簡単化できます。…

行列の対角化

ようやく最低限の準備が整った感があるので、今回は行列の対角化について。以前に少しだけ触れたのですが、行列の対角化とは、これまで学んだ内容をまとめると、だいたい次のような操作であると分かります。すなわち、ある行列Aと対角行列Bが相似である場合…

べき乗法

線形代数に関連した数値計算の手法として、べき乗法があります。べき乗法とは、固有値と固有ベクトルの性質から、ベクトルに行列を繰り返しかけることで絶対値最大の固有値とそれに属する固有ベクトルを求める方法です。計算手順が行列の次数に依らないので…

諸々の定理の証明

先に進むために、以下の定理の証明を確認しておきます。簡単のため、それぞれ2次の正方行列に限定していますが、おそらく3次以上の場合でも成立するはずです。 正則行列の列ベクトル は互いに一次独立である ある正則行列をPとし、その列ベクトルをそれぞれ,…

ベイズの定理

今回は線形代数から脱線して確率論の分野から。確率論やこれに関連する統計学は扱うテーマが具体的なので、演習問題を解いていたりすると、「これってプログラムのネタに使えないかな?」というような考えが浮かんでおもしろいです。その中で最近流行のベイ…

相似な行列の特性多項式

前回のエントリーで相似について触れましたが、ある行列AとBが相似である場合、互いの特性多項式は一致することが分かっています。すなわち、Aの特性多項式を、Bの特性多項式をとすると、 であり、したがって、AとBの固有値(と特性根)が一致します。つまり…

基底の変換と相似

線形写像という概念は抽象度が高く単純そうに見えて意外と難しいです。特に基底の変換から相似にかけて理解があやふやだったため少々躓きました。以下、個人的なまとめです。 基底の変換 いつものように定義だけだと分かった気がしないので、次の線形変換Fを…

行列の余因子

線形代数を学習していると、とっつきにくいと思う概念が幾つも出てくるんですが、その中の一つに行列の余因子があります。ある行列に含まれる小行列の行列式がどんな意味を持つのかイメージとして掴みにくいんですよね。どうも私は新しい概念を理解する時、…

固有値と固有ベクトル

突然ですが、思うところあって数学の学習を始めました。これから新しく学んだことの復習の目的で、非定期にエントリーを書いていこうと思います。まずは、線形代数の固有値と固有ベクトルについて。 一般に固有値と固有ベクトルは、次のように定義されます。…