2008-03-06 相似な行列の特性多項式 数学 前回のエントリーで相似について触れましたが、ある行列AとBが相似である場合、互いの特性多項式は一致することが分かっています。すなわち、Aの特性多項式を、Bの特性多項式をとすると、 であり、したがって、AとBの固有値(と特性根)が一致します。つまり、どんな基底をとっても、線形変換の表現行列が持つ固有値は変わらないということです。 証明 を満たす正則行列をPとすると、 となりますが、この時 なので、 となります。よって、 対角化との関係 上の定理の結果は行列の対角化と関係してきます。対角化については後日書きたいと思いますが、もしもある行列Aが対角行列Bと相似である場合、必然的にAとBの固有値が一致することになります。よってここから、AとBが相似である、つまり対角化可能であるためには、これまで何度も出てきた次の関係式 を満たす正則行列Pが存在するかどうかが鍵になると分かります。