固有値と固有ベクトル

突然ですが、思うところあって数学の学習を始めました。これから新しく学んだことの復習の目的で、非定期にエントリーを書いていこうと思います。

まずは、線形代数固有値固有ベクトルについて。
一般に固有値固有ベクトルは、次のように定義されます。すなわち、ある線形変換の表現行列をA、0でないベクトルを\vec{x}、適当な実数をλとした場合、
A\vec{x} = \lambda\vec{x}
を満たすならば、λをAの固有値といい、\vec{x}固有値λに関する固有ベクトルといいます。

あるベクトルを線形変換すると、元のベクトルの実数倍と等しくなるとは、いったい何を意味してるんでしょうか。上の定義だけ眺めるだけではさっぱり分からなかったのですが、以下のように図形を例にして考えるとイメージしやすかったです。

原点周りの回転を表す線形変換

回転角がπの整数倍の時、変換後のベクトルが固有ベクトルに相当します。例えば、回転角がπの場合、この線形変換の表現行列は、
\begin{pmatrix} x'_{1} \\ x'_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix}
となるので、固有ベクトルは、
λ = -1の時
\vec{x} = \begin{pmatrix} -1 \\ 0 \end{pmatrix} 又は \vec{x} = \begin{pmatrix} 0 \\ -1 \end{pmatrix}
となります。ちなみに、この場合は原点に関して対称移動するのと同じですね。

線対称を表す線形変換

対称軸となる直線をLとすると、LまたはLと垂直な直線と平行なベクトルが固有ベクトルに相当します。例えば、直線の式がy = xの場合、この線形変換の表現行列は、
\begin{pmatrix} x'_{1} \\ x'_{2} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x_{1} \\ x_{2} \end{pmatrix}
となるので、固有ベクトルは、
λ = 1の時
\vec{x} = \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix}
λ = -1の時
\vec{x} = \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix}
となります。