任天堂ゲームのユーザー体験

UI設計におけるユーザー体験については、他方で散々解説されてると思いますが、個人的に思うところがあったので敢えて書き残しておきます。
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夜遅くアパートに帰ってきて、だらだらとTVを眺めていた時のこと。ふと流れた「しゃべる!DSお料理ナビ*1のCMが目に留まりました。CMの内容は、DSのナビゲーションにしたがって、女優の菅野美穂さんが沖縄料理のゴーヤチャンプルーを作るというものです。
菅野美穂さんのDSのある毎日
このCM映像を見た時、一瞬にして「あっ!」と気付きました。最近、巷でよく見たり聞いたりするユーザー体験っていうのはこういう事なのかと。ユーザー体験の重要性については、これまでウェブ上の解説記事やブログを通してある程度知っていましたが、説明が抽象的で実感としての理解は乏しかったように思います。現在も、正直なところ、他人にはっきりと説明できるレベルまで分かったと言えません。でも今は、以前にはなかった言葉にならないもやもやした概念を身体の中に感じるようになりました。
おそらく大切なのは、ユーザーが楽しんでいる姿がぱっと頭の中に映像として直感的に浮かんでくるかどうか、そして、その姿を見つめる自分も楽しいと思えるかどうかということ。任天堂は自社ゲームのデザインにおいて、このようなゲームを取り巻く”風景”を強く意識しているような気がします。つまり、ゲーム機とユーザーの二人称の関係だけで物事を考えるのではなく、更にゲーム機に触らないもう一人のユーザー(潜在的なユーザー)を追加した三人称の関係で考えているのではないでしょうか。

しゃべる!DSお料理ナビ

しゃべる!DSお料理ナビ

*1:2年前に発売されたゲームにも関わらず、今もなお売れ続けているのは驚きです。